中学に入って英語が始まると、最初の数ヶ月で明暗が分かれます。スムーズに入っていく子と、いきなり苦手意識を持ってしまう子。そして厄介なことに、ここでつまずいた子は、その後もずっと引きずります。
私は大学の4年間、塾講師・家庭教師として、おもに英語を教えてきました。この記事では、中1が英語で最初にぶつかる壁と、その突破法を、現場の視点から解説します。
最初の壁は「be動詞と一般動詞の基本ルール」
中1英語で最初につまずくのは、ほぼ例外なくbe動詞と一般動詞の基本ルールの混同です。
具体的には、こういうルールです。
- I なら am、He・She なら is、You・They なら are
- 一般動詞を伴う疑問文は Do を使う
- 主語が三人称単数なら Does になる
これらは、理屈で理解するというより「そういうものだ」として覚えるべきルールです。ところが、この「そういうものだから覚えなさい」というものを覚えられない子が一定数います。
そして、ここでつまずくと何が起きるか。ドミノ倒しのように、そのあとの単元が全部崩れていきます。英語は積み重ねの科目なので、最初の土台が不安定だと、上に何を積んでも崩れる。中1の最初の数ヶ月が、実は英語人生を左右すると言ってもいいくらいです。
「なぜ主語によって変わるの?」——この質問にどう答えるか
つまずく子から、必ずと言っていいほど出てくる質問があります。
「なんでIだとamで、Heだとisなの?」
この質問に、うまく答えられるかどうかが最初の分かれ目です。「決まりだから」と突き放すと、子どもは納得できず、モヤモヤを抱えたまま暗記を拒否します。
私がこの質問に対して使っていた説明は、こうです。
「なぜ日本語で『私はケンです』と言うときに、『私が』じゃなくて『私は』を使うの?」
つまり、日本語でも同じことをしている、という切り返しです。
日本語でも、私たちは無意識に使い分けている
考えてみてください。私たちは日本語を話すとき、「私は」「私が」「私も」「私の」と、主語につく言葉を状況によって使い分けています。
でも、なぜ「は」なのか「が」なのか、説明できる中学生はほとんどいません。身近すぎて、使い分けていること自体に気づいていないんです。
英語のbe動詞も、構造としてはこれとほとんど変わりません。主語によって形が変わる。それだけのことです。ただ、日本語は無意識に使えるのに、英語は意識して覚えなければならない。だから難しく感じるだけなんです。
ここで問題なのは、中学生で英語を「言語」として俯瞰できる子はほぼいないということです。英語を「科目」として見ているから、「なんでこんな面倒なルールがあるんだ」と反発してしまう。
だから、基礎を教える前に、こう伝えるだけでかなり変わります。
「amとかisとか、主語によっていろいろ変わるけど、君が普段使ってる『私は』とか『私が』も、『は』と『が』で違う言葉がついてるでしょ?それと大して変わらないから、気にせず覚えな」
この一言があるかないかで、子どもの受け入れ方がまるで違います。納得感を持たせてから暗記させる。これが最初の壁を越える鍵です。
理屈で納得させたら、あとは音読で「反射」にする
納得させた後の実践は、シンプルです。例文をたくさん音読させて、反射的に出てくるようにする。
私も「Iにはam、Heにはis」という理屈は解説していました。でも、最終的に定着させるのは理屈ではなく反復です。理屈を含んだ例文を大量に音読させて、「He」と聞いたら反射で「is」が出てくる状態を作る。
これは、以前英文法の勉強法でも書いた「例文暗記から逆算する」という考え方と同じです。ルールを覚えてから使うのではなく、使える文をたくさん持って、そこからルールを回収する。
そしてもちろん、声に出すことが前提です。黙読で例文を眺めても、反射までは到達しません。口を動かして、何度も繰り返す。ここでも英語学習の原則は変わりません。
保護者が家で気づけるサイン——「音読できるか」
最後に、家庭で「うちの子、英語でつまずいているかも」と気づくための、非常に分かりやすいサインをお伝えします。
教科書を読ませてみて、発音ができない子は、ほぼ理解できていないと思っていいです。
これは現場で何度も確認してきた経験則です。逆に言えば、英語ができる子で、教科書が読めない・発音できないという子はいません。音読できるかどうかは、理解度とほぼ一致します。
お子さんに教科書を音読させてみてください。つっかえる、読めない単語が多い、発音が曖昧——こういう状態なら、英語の土台が固まっていない可能性が高いです。テストの点数を見る前に、この方法で早期発見できます。
先生に頼むときの具体的なお願い
もし家庭教師や個別指導を頼む場合、具体的にこうお願いすると効果的です。
- 「読めるように発音を振ってあげてください」
- 「一緒に音読しながら覚えさせてください」
漠然と「英語を教えてください」と頼むより、この2つを具体的にリクエストする方が、はるかに効果が出ます。教える側としても、家庭の要望が明確だと動きやすいです。
まとめ
- 中1英語の最初の壁は、be動詞・一般動詞の基本ルール。ここでつまずくとドミノ倒しになる
- 「なぜ主語で変わるの?」には、日本語の『は』と『が』の使い分けを例に出すと納得しやすい
- 納得させたら、例文の音読を繰り返して反射レベルにする
- 家庭でのチェック方法は「教科書を音読できるか」。発音できない子は理解できていない
- 先生に頼むときは「発音を振って、一緒に音読してほしい」と具体的にお願いする
英語が苦手になるかどうかは、中1の最初の数ヶ月でほぼ決まります。まずはお子さんに教科書を読ませてみるところから、状態を確認してみてください。
「一緒に音読してくれる人」がいると早い
この記事で書いた対策は、どれも「隣に誰かがいる」と圧倒的に効果が上がるものばかりです。発音を正しく振ってもらう、一緒に音読する、反射になるまで付き合ってもらう——これを一人でやるのは難しく、親が付き合うのも簡単ではありません。
家庭教師のガンバは、勉強のやり方から教えることを掲げていて、つまずいている単元まで戻って教えるスタイルが特徴です。英語のように最初の土台が全てを左右する科目では、「どこから分からなくなったか」を特定して、そこから丁寧に積み直せる伴走者の存在が大きく効きます。
無料体験があるので、まずはお子さんの英語がどの段階でつまずいているのか、相談してみるところから始めてもいいと思います。
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