中学英語の勉強法——現役英語講師が生徒に教えている「単語・文法・テスト前」のやり方

家庭学習のコツ

「英単語がなかなか覚えられない」「文法がこんがらがる」「テストが1週間後なのに、何から手をつければいいか分からない」——英語でつまずく中学生の悩みは、だいたいこの3つに集約されます。

私は大学の4年間、塾講師・家庭教師として、おもに英語を教えてきました。この記事では、私自身が受験生時代に実践し、いま生徒にも教えている具体的なやり方を、そのまま公開します。抽象論ではなく、明日から真似できるレベルまで落とし込んで書きます。

前提として、私の英語学習の考え方は一貫しています。英語の記憶は「出会った回数」で決まる、ということです。この記事の方法は、すべてこの一点から逆算しています。

英単語:1単語1秒未満。「わからない単語に数十秒」は最大の無駄

まず単語からいきます。多くの中学生がやってしまう最悪のやり方は、わからない単語を前にして、数十秒うんうん唸ることです。

思い出そうと粘る。ノートに何度も書く。それで1単語に30秒かけていたら、100単語で50分です。しかも、その努力の大半は記憶に残りません。

記憶が「出会った回数」で決まるなら、やるべきことは真逆です。1単語にかける時間は1秒未満。わからなければ即座に答えを見て、次に行く。そのスピードで何周も回す。これが私が自分でやっていて、生徒にも教えている方法です。

具体的なやり方:日本語を隠して、声に出す

多くの単語帳は、左に英語、右に日本語が並んでいます。この形を活かします。

1. 右側の日本語を隠す(下敷きや紙で) 2. 英単語を見て、「英単語 → 日本語」の順に声に出す 3. わからなければ即座に日本語を見て、声に出して、次へ

ここでも音読です。声に出す理由は、以前こちらの記事でも書いたとおり、同じ時間で接触回数を増やせるからです。黙って眺めるより、口に出したほうが速く、多く回せます。

「チェック3つ」方式でモチベーションまで管理する

ここが、私のやり方でいちばん効く部分です。

単語を見た瞬間に訳が出てきたら、その単語にチェックを1つ付ける。そして、チェックが3つ溜まった単語は、もう飛ばしていいというルールにします。

これを繰り返すと、何が起きるか。

  • 周回するたびに、チェック3つの単語が増えていく
  • つまり、1周にかかる時間がどんどん短くなる
  • 残るのは「本当に覚えられていない単語」だけになり、そこに集中できる

さらに、この方式には副次的だけれど重要な効果があります。チェックが目に見える成果として積み上がることです。

英単語の暗記は、成果が見えにくくて挫折しやすい作業です。でも、ページを開いたときにチェックがずらりと並んでいれば、「自分はこれだけ覚えたんだ」と実感できる。モチベーションが維持できる仕組みが、勉強法そのものに組み込まれているわけです。

英文法:理論から入らない。「例文暗記」から逆算させる

次に文法です。ここで多くの子がつまずくのは、理論から入ろうとするからだと私は考えています。

「SVOCとは」「不定詞の3用法とは」——こうした理論から教えると、こんがらがってしまう子が本当に多い。頭の中で整理がつく前に、用語の海で溺れてしまうんです。

そこで私が取っている方法は、文章まるごとの暗記です。

「have to = 〜する必要がある」より先に、例文を覚えさせる

たとえば “have to” を教えるとき。

  • ❌ よくある教え方:「have to は『〜する必要がある』という意味です」
  • ⭕ 私の教え方:“I have to study English.” = 「私は英語を勉強する必要がある」 を丸ごと覚えさせる

そして、この例文を覚えたあとで、逆算して「have to = 〜する必要がある」を思い出せるようにする。順序が逆なんです。

理論を先に入れると、子どもは「で、それをどう使うの?」で止まってしまう。でも使える形の文をまるごと持っていれば、そこから意味を取り出せる。使える状態から入って、あとから理屈を回収するわけです。

例文も、単語と同じ扱いで

そして、この例文暗記も、単語とまったく同じルールで回します。

たくさん、速く、何度も、声に出して読む。

ここでも原則は「出会った回数」です。1つの例文を丁寧に分析するより、たくさんの例文を高速で何周もするほうが、結果的に文法は身につきます。

定期テスト1週間前:やるべきは、この2つだけ

最後に、テスト直前期の話です。「1週間しかない、何をやればいいか」と聞かれたら、私の答えは明確です。

1. 教科書の本文暗記 2. ワークの文法暗記

この2つに絞ります。

いろいろな中学校の定期テストを見てきましたが、この2つを固めておけば、6割は堅いというのが私の実感です。定期テストは範囲が限られており、教科書とワークから出題される割合が非常に高いからです。

限られた時間で手を広げるのは悪手です。参考書を買い足したり、難しい問題集に手を出したりする前に、目の前の教科書とワークを完璧にする。これが直前期の最短ルートです。

そしてこの2つも、やり方は同じです。声に出して、速く、何度も。教科書本文は音読で刷り込み、ワークの文法は例文ごと覚える。この記事で書いてきた原則がそのまま使えます。

まとめ:すべては「出会った回数」に還元される

長くなったので整理します。

  • 単語:1単語1秒未満。日本語を隠して声に出す。チェック3つ方式で高速周回
  • 文法:理論より例文暗記。文まるごと覚えて、あとから意味を逆算
  • テスト前:教科書本文暗記とワークの文法暗記の2つに絞る

一貫しているのは、「たくさん、速く、何度も、声に出す」という原則です。英語は科目である前に言語であり、記憶は出会った回数で決まる。ここさえ外さなければ、やり方はシンプルになります。

英語が苦手な中学生がまず確認すること

英語が苦手な子の多くは、実は中1の内容のどこかで理解が止まっています。中2・中3は不定詞や比較など新しい文法が次々に出てくるため、土台が揺らいだまま進むと、一気に崩れやすくなります。まずは次の4点を確認してみてください。

  • be動詞と一般動詞を、文の中で使い分けられるか
  • 三人称単数現在(sがつく形)を、自然に言えるか
  • 過去形の作り方と、よく使う不規則動詞が分かるか
  • 教科書の本文を、つかえずに音読できるか

このうち1つでもあやしいなら、学年をさかのぼって復習する価値があります。中1の内容は中1英語でつまずきやすいポイントにまとめています。

学年別:優先したいこと

  • 中1:英単語と音読の習慣づくり。be動詞・一般動詞の例文を声に出して固める
  • 中2:文法が一気に増える学年。不定詞・動名詞・比較などを、例文ごと覚えて整理する
  • 中3:長文読解と英作文の比重が高まる。長文の解き方は英語長文の解き方で詳しく書いています

1日20分の学習モデル

「何をどれだけやればいいか」で迷う人向けに、1日20分で回せる目安を示します。あくまで一例なので、お子さんの状況に合わせて調整してください。

  • 単語:5分(日本語を隠して声に出し、チェックを付ける)
  • 例文:10分(文法ワークの例文を音読して暗記)
  • 教科書:5分(本文を音読)

大切なのは、時間の長さより毎日続けることです。1日60分を週に1回やるより、20分を毎日続ける方が、「出会った回数」を稼げます。

よくある失敗パターン

  • 書いて覚えたつもりになる:書くのは時間がかかり、接触回数が増えにくい。声に出して回す方が効率的
  • 単語帳を何冊も買う:1冊を何周もした方が定着する。新しい本に手を出す前に、今の1冊を回し切る
  • 理解してから進もうとして、先に進まない:まず例文ごと覚え、理屈はあとから回収する
  • 声に出さない:黙読中心だと接触回数が増えない。詳しくは英語は声に出さないと伸びない理由を参照

よくある質問

英検は受けた方がいいですか?

目標や進路によります。まずは学校の定期テストで安定して点を取ることを優先し、そのうえで挑戦したい目標があれば検討するのがおすすめです。英検の勉強で身につく単語や読解の力は、定期テストや高校入試にも役立ちます。

テスト前に時間がないときは、何からやればいいですか?

本文で書いたとおり、教科書の本文とワークの文法に絞ってください。範囲が限られた定期テストでは、この2つの優先度が圧倒的に高いからです。

それでも一人では続かないと感じたら

正直に言うと、この方法の弱点は「一人だと続きにくい」ことです。高速で何周も回すやり方は、伴走者がいないとサボりがちです。そして何より、発音が合っているか自信がないと、声に出すこと自体をやめてしまいます。

こういう部分は、誰かが横で見ていると劇的に変わります。家庭教師のガンバは勉強のやり方から教える方針で、予習復習のスケジュール管理などのサポートもあります。「今日はどこまでやるか」が決まっていて、つまずいたら聞ける環境は、この記事の勉強法を回し続けるうえで相性がいいと思います。

無料体験があるので、まずはお子さんが実際に取り組めるかどうか、反応を見てみるのも一つの手です。

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